就業規則(サンプル)
労働基準法では、従業員10名以上の労働者を使用する雇用主は就業規則を作成し、労働基準監督署への届け出が義務付けられている。そして、減給、出勤停止や懲戒解雇などの懲戒処分は就業規則に書かれていない理由の場合は無効になる。
例えば、「取引先から不正に金品を受け取ったとき」が懲戒理由として書かれていないと、取引先から不正に金品を受け取ったとしても懲戒処分ができないことになる。
また、最近では「報告・連絡・相談」に関して詳しく書かれるケースも増えている。「報告・連絡・相談」が気軽にできる社風を作ることは、経営戦略のひとつである。「ほう・れん・そう」の上手な社員を表彰し、悪い報告(失敗や損失などの報告)をしない社員を指導することにより、社内のコミュニケーションを活発化し、人間関係もよくなり、情報の共有(ナレッジマネジメント)が生まれる効果がある。コーポレートガバナンス(Corporate Governance ・企業統治)の向上のためにも、就業規則を有効に活用しなければならない。。
第5章 服務の心得
(服務の心得)
第59条 職員は職場の秩序を保持し、業務の正常な運営を図るため、次の事項を遵守するよう努めなければならない。
① 常に健康に留意し、活力のある態度で就業すること
② 常に品位を保ち、当社の名誉を傷つけるようなことをしないこと
③ 当社の業務上の機密事項・個人情報および当社の不利益となるような事項を他に漏らさないこと
④ 職務に関する以下の事項を遵守し、報告・連絡・相談を徹底すること
・ 悪い報告ほど進んで実践し、絶対に隠さない(報告)
・ 相手の現在おかれている状況や心境をよく考えて報告する(報告)
・ 要点と5W1Hを明確にし、結論から最初に伝える(報告)
・ 相手に伝わったかどうか、必ず確認する(報告)
・ 「聞いた」、「聞いていない」等の不毛な議論や責任の転嫁をしない(連絡)
・ 問題の解決のため、上司を積極的に利用する(相談)
・ 相談は、信頼感や人間関係を深める手段と考える(相談)
⑤ 当社の器具その他備品を大切にし、消耗品を節約し、書類その他当社の部品を丁寧に取り扱い、その
保管を厳重にすること
⑥ 職場の整理整頓に努め、常に清潔に保つようにすること
⑦ 勤務時間を遵守し、職場を離れる場合は所在を明らかにしておくこと
⑧ 他人の職務を妨害し、または職場の秩序を乱さないこと
⑨ 職務に関し、不当な金品の借用または贈与、もしくは供応の利益を受けないこと
⑩ 酒気を帯びて就業しないこと
⑪ 当社事務所内において許可なく業務に関係のない集会をし、印刷物を配布し、または掲示しないこと
⑫ 許可なく、他の企業の役員もしくは従業員となり、または当社の利益に反するような業務に
従事しないこと
⑬ 当社事務所内で賭け事をしないこと
⑭ 前各号のほか、これに準ずるような、職員としてふさわしくない行為をしないこと
第6章 表彰および懲戒
(懲戒)
第65条 職員が次の各号の一つに該当するときは、次条により懲戒を行う場合がある。
①
重要な経歴を偽り雇用されたとき
②
素行不良で、当社内の風紀、秩序を乱したとき
③
正当な理由なく、しばしば欠勤、遅刻、早退し、出勤状態が不良のとき
④
故意に業務の能率を阻害し、または業務の遂行を妨げたとき
⑤
業務上の怠慢または監督不行き届き、あるいは報告・連絡・相談の徹底を怠ること等により、当社に損害を与えたとき
⑥
許可なく、当社の物品を持ち出し、または持ち出そうとしたとき
⑦
当社の名誉、信用を傷つけたとき
⑧
当社の機密事項・個人情報をもらし、または漏らそうとしたとき
⑨
許可なく、在職のまま他に雇用されたとき
⑩
業務上の指示命令、または当社の諸規定・通達に従わないとき
⑪
金銭の横領、汚職その他刑法に触れるような行為をしたとき
⑫
前各号に準ずる行為をしたとき