雇用と労働
雇用契約とは、労務者(労働者)が、使用者(雇用主)に対して、労務(労働)を行うことを約束して、使用者(雇用主)がその労務(労働)に対して報酬(給与・賃金)を支払うことを約束する契約である。雇用期間が決められていない雇用形態は正規雇用であり、労働者は「正社員」と呼ばれ、期間を定めた短期契約の雇用形態は非正規雇用であり、労働者はその形態によって、パートタイマー、契約社員、派遣社員などと呼ばれる。
労働者は使用者にいつでも解約(退職)を申し入れることができるが、使用者から労働者に対する解約(解雇)の申し入れはいつでも自由に行われるものではない。
一般的に、解雇が可能な例は、労働者が重大な法律違反をした場合、就業規則に示された項目に違反した場合、倒産などの回避を目的とするための人員整理(リストラ)として行なわれる場合などである。
日本では、多くの国々と同じように、民法627条によって無期雇用契約(期間が決められていない雇用契約:正規雇用)は自由に解約できる。しかし、これを労働基準法(19条、20条、104条)や労働契約法(16条)等によって上乗せ修正し、厳格に規制しているので、合理的理由がなければ解雇できない。また、少なくとも30日前に解雇の予告をしなければならない。30日前の予告をしない場合は、30日に不足する賃金(解雇予告手当て)を支払わなければならない。
しかし、欧米諸国ではこのような規制はなく、理由を問わず自由に解雇できる場合が多い。アメリカでは州により異なるが、カリフォルニア州では雇用契約は「employment
at will」すなわち相互の自由意志に基づくものとされ、無期雇用契約では使用者の判断で特別な理由なしにいつでも労働者を解雇できる。ただし、解雇予告手当ての支払いは必要。また40歳以上の労働者について年齢を理由にしたり、人種、宗教などの理由による解雇は違法である。(参考:fire とlayoffの違い)
課題: タイでは解雇の規制をどのように行っているか調べなさい。
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